マーケAIの作り方

ライティングスキル検討用の共有資料 / 2026-08-07 おの
※チャットで「AIコト」と呼んでいたものです。マーケの制作物チェック用なので、この資料では「マーケAI」と表記します
3行まとめ ・マーケAIは、コトさんの実際の発言を分析して作った制作物チェックスキル(中身はぜんぶMarkdownの指示書)
・うまくいった要因は「原稿でなく理由つきの発言を素材にした」「ルールを絞り込む構造にした」「自動で育つ仕組みをつけた」の3つ
・ただしすでに作られたものを良くするなら、作り方より「目的/不満/情報の在り処」の点検が先(→ 7章)

1. マーケAIとは何か

LP・バナー・動画・広告文などを、コトさんの視点で事前チェックするスキルです。
出力は「NG/要確認/OK」+修正案まで。最終判断はコトさん本人で、位置づけは「コトさんに出す前の自己チェック」です。

= フィードバック用スキルにあたります。初稿作成用はまだ作れていません。

「コード」ではなく、全部Markdownです

「コード一式」とご質問いただきましたが、実体は日本語で書かれたMarkdownファイル2つだけです。プログラミングは使っていません。AI(Claude)に「この手順とルールでチェックして」と指示する指示書を作り込んでいる、というのが正確なところです。なので、はなさんの環境でも同じ作り方ができます。

2層構造になっています

┌─────────────────────────────┐ │ ① スキル本体(指示書) │ │ 判定の手順・ルール・出力フォーマット │ │ → 人が設計する部分。あまり変わらない │ ├─────────────────────────────┤ │ ② 判断軸ファイル(データ) │ │ コトさんの実発言を分析した生データ │ │ → 毎晩自動で追記されて育つ部分 │ └─────────────────────────────┘

「作って終わり」にしないための分離です。ルールが増えてもスキル本体は書き換えず、判断軸ファイルだけが厚くなっていきます。

2. 何をもとに作ったか

Chatworkでのコトさんの実際の発言を分析しました。原稿ではなく発言を使ったのが最大のポイントです。

時期素材成果
2026/05マーケ運用チャット 2025/01〜2026/05
(実質発言 389件)
判断軸の初版を作成
2026/06/11CSV 2,000件を総ざらい
(うち発言 450件)
約40件を追加
2026/06/26Googleドキュメントのコメント27件を追加
継続中毎晩のチャット巡回(別スキル)新しいFBを自動追記

ここが一番の分かれ目かもしれません

完成した原稿からは「なぜそう直したか」が読み取れません。

原稿のビフォーアフターを比べても、AIが学べるのは「絵文字を減らした」「語尾を変えた」といった表層の差分だけです。判断の理由がどこにも書かれていないためです。

一方チャットには、コトさんが理由を語っている発言が残っています。たとえば——

この2つはマーケAIの最重要フィルターとして本体に組み込んでいますが、これは原稿からは絶対に抽出できません。判断の物差しそのものが言語化されている素材を集めるのが要点だと思っています。

ライティングの場合、素材はどこにあるか

マーケAIでも2026/06にGoogleドキュメントのコメントから27件を追加しています。ライティングのFBはチャットよりドキュメントのコメントに溜まっているはずなので、そこが主な鉱脈になりそうです。

3. スキル本体の構造

全ルールを毎回当てると精度が落ちます。対象を判定してから、該当するルールだけを当てる4段階の絞り込みにしています。

STEP 0 対象判定 「これはバナー × 株式投資として見ます」と宣言してから始める STEP 1 ①普遍チェック(全件に必ず当てる) NG表現/修正が必要な表現/数字の正確性/ブランド整合 など STEP 2 ②制作物タイプ別(判定したタイプのぶんだけ追加) LP全体/FV/バナー/動画/検索広告TD/カルーセル/CTA/会員の声 STEP 3 ③訴求軸別(判定した軸のぶんだけ追加) 家計管理/株式投資/副業/マップ/こどもスクール/準顕在層/オフィス STEP 4 ④条件分岐(普遍ルールと衝突する例外を判定) 例:「専門家」は家計管理ならOK・副業ならNG寄り

ルールに通し番号を振っています

記号意味
U1〜普遍ルールU7「仲間」というワードは使わない
P-FV / P-LP / P-VOC制作物タイプ別P-FV3 ポイント見出しは最大14文字
AX-KB / AX-FK / AX-MP訴求軸別AX-FK1 せどり等の具体名は外す
X1〜条件分岐(例外)X2 会費を安く見せる訴求はNG/店舗の費用対効果はOK

番号を振る利点は3つあります。

実際の出力イメージ

たとえばバナー案「誰でも簡単に資産アップ!プロが直接サポート」を貼ると、こんな返しになります。

## チェック結果 対象:バナー・静止画 × 全般 として判定 ### NG(即アウト・要修正) - 「誰でも簡単に」 → 理由:誇大広告リスク(U系・「誰でも〇〇できる」) → 修正案:「今日から始められる」 - 「資産アップ」 → 理由:成果の確約に見える表現 → 修正案:「資産形成について学べる」 - 「プロが直接サポート」 → 理由:直接相談できると誤認させる(X1) → 修正案:「会員同士で相談できる場がある」 ### 総評 3点とも入口(バナー)なので厳しめに判定しました。 コトさんは特に「アンチが見て突っ込めるか」を気にされる箇所です。

あわせて「該当した箇所だけ挙げる/問題ない項目を全件素通しで列挙しない」という運用ルールも本体に明記しています。これがないと出力が冗長になり、読まれなくなります。

4. 自動で育つ仕組み

別スキルが毎晩マーケ運用チャットを巡回し、コトさんの発言のうち表現・訴求の良し悪しに触れるものを判断軸ファイルに自動追記します。

毎晩 ↓ マーケ運用チャットの新着を取得 ↓ コトさんの発言を抽出 ↓ 表現・訴求の判断に関わるものだけ判定 ↓ 判断軸ファイルに追記 → 私のDMに「判断軸メモ追記:◯件」と報告

マーケAI本体はチェック実行前に判断軸ファイルを読みに行くので、本体を書き換えなくても新しいFBが反映されます。

「一度作って断念」との一番大きな違いはここかもしれません。初回の精度が低くても、使いながら差分を溜めていけば実用ラインに乗る、という設計です。最初から完璧を狙うより、更新が回る仕組みがあるかのほうが効きます。

5. ライティング版への転用案

マーケAIの構造をライティングに当てはめると、こういう形になりそうです(たたき台です)。

マーケAIライティング版(案)
制作物タイプ
(LP/バナー/動画…)
コンテンツ種別
合宿告知/お知らせ/キャンペーン/活用事例記事…
訴求軸
(家計管理/投資/副業…)
読者・目的
会員向け/非会員向け、告知/案内/依頼…
コトさん1人の判断軸はなさん観点+コトさん観点の2セット
「はなさんならこう言う/コトさんならこう言う」を分けて出力
最重要フィルター
(アンチ視点・既存会員視点)
ライティングの最重要フィルター
※ここは要言語化。一番効く部分です

初稿作成用スキルについて

マーケAIはチェック用なので直接の参考にはなりませんが、「参照する資料が多い」問題は分離で解けそうです。

6. 作る手順(再現用)

  1. 素材を集める:FBが理由つきで語られている場所を洗い出す(ドキュメントのコメント/チャット/議事録)
  2. 発言だけを抽出する:原稿の差分ではなく、判断の理由が書かれた文を集める
  3. 分類してルール化する:全件に当たるもの/種別ごと/読者ごと/例外、の4層に振り分ける
  4. 番号を振る:出力で根拠を示せるようにする
  5. 最重要フィルターを1〜2文で言語化する:迷ったときに立ち返る問いを決める
  6. 出力フォーマットを固定する:冗長化を防ぐ運用ルールもセットで書く
  7. 自動追記の仕組みをつける:新しいFBが溜まる場所を巡回して追記させる

7. すり合わせで話したいこと

ここまで「作り方」を書いてきましたが、すでに一度作られているものを良くする場合は、作り直すより現在地の点検から入るほうが速いと思っています。

大ちゃんに教わった考え方です。「最初にどうやって作られたか」より「目的・やりたいことに対して、今のプロンプト・情報は足りてるか」で育てる、というもので、たしかに私も自分で作ったスキルの手順はだいぶ忘れています。

なので当日は、この3つの順で伺えると早そうです。

①目的ライティングスキルで、最終的に何ができたら成功
=マーケAIでいう「アンチ視点・既存会員視点」のような、最後に立ち返る問いを言語化したいです
②不満今の合宿告知文スキル/断念されたFBスキルの、どこが物足りなかった
=「精度が低い」をもう一段具体に。「この原稿にこう指摘してほしかったのに、返ってきたのはこれ」の実例があると、足りない情報が自ずと決まります
③情報それを埋める情報は誰が持っているか・どこにあるか
=ドキュメントのコメント/チャット/口頭。今後FBが溜まっていく場所も決められると、自動追記の巡回先になります

あわせて、合宿告知文スキルの現物を見せていただけると、初稿作成用の話も同時に進められそうです。

8. 注意点

作成:おの / 2026-08-07
実体ファイル:スキル本体(Markdown)/判断軸データ(Markdown)/自動追記スキル(Markdown)——いずれも当日お渡しできます